東北大学
原子炉及び大型実験施設等を活用した持続的な原子力人材育成拠点の構築
事業の背景
東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、原子力安全の確保や更なる向上を図り、また令和7年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画で示されました「バックエンドプロセスならびに再稼働の加速、次世代革新炉の研究開発等の推進」という観点を追求するためには、グローバルな視野を持ち、新しい知を創造し、多様な者と共創しつつ、課題解決へ向け挑戦することができる優れた人材の育成が必要不可欠です。
一方、原子力に係る学部・学科の改組等により、原子力分野の人材育成機能が脆弱化する中で、緩やかな協力の下で個別の大学等が人材育成を行うという従来の体制を越え、今後は、我が国全体として原子力分野の人材育成機能を維持・充実していくことが課題となっています。
これまで本事業では、機関ごとの特色を活かした取組に対して3年間を年限とした補助を実施し、機関横断的な取組を慫慂していましたが、人材育成や組織体制の強化に向けて、産業界や他分野との連携・融合等を含めた幅広い観点から中長期的な取組を促進するという視点が十分ではありませんでした。
この点と上述の背景を踏まえ、今後、本事業では、大学や研究機関等が組織的に連携し、原子力分野において育成する魅力的な人材像を掲げ、共通基盤的な教育機能を補い合うことで、拠点として一体的に人材を育成する体制の構築を促し、ひいては我が国の原子力分野の人材育成機能の維持・充実に寄与することを目的とします。
事業の目的
東北大学大学院工学研究科量子エネルギー工学専攻の大型実験施設(高速中性子実験室、臨界未満実験装置室、先進核融合炉工学総合実験棟、放射性同位元素実験室など)を活用した、原子力人材育成に不可欠な中性子輸送、原子炉材料、核融合プラズマ、バックエンド等に関する実習の高度化と効率化に取り組みます。また、オンライン教材を活用することで、多くの人材に実習を経験できる機会を提供するともに、補助期間終了後も人材育成を自立的に継続できる仕組みを確立します。加えて、他機関と有機的・相互補完的に連携することで、我が国の原子力利用の推進に貢献する人材育成の中核拠点を形成します。
実験原子力総合実習の様子
中性子照射済み材料実習の様子