国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構
放射線・原子力に関する基礎的な実験・実習プログラムの提供
事業の背景
原子力工学の教育では、座学だけでは理解しきれない放射線・原子力の実践的な知識や安全管理のスキルを習得するために、実験・実習は極めて重要です。
しかしながら、国内の大学における原子力関係学科の実験・実習の科目数は、下図に示すように、1979年と2019年を比較すると約4割減少しています。
これは、2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故が世の中に与えた影響の大きさにより、原子力分野を目指す人材が減少したことや原子力分野を専門とする大学教員の数も減少していることに加えて、大学や原子力研究施設に設けられている研究炉も、福島第一原子力発電所の事故後に設けられた厳しい「新規制基準」の遵守を求められ、廃炉又はその対応ができるまで稼働停止を余儀なくされたことなど、原子力分野の人材育成を行うためのリソースが減少したことが原因と考えられます。
この減少した原子力関係学科の実験・実習を補うには、大学と研究機関・産業界が連携し、それぞれが有している研究施設・設備を用いた実験・実習を提供することが必要です。

事業の目的
本事業では、大学で原子力分野を学んでいる学生(大学生、大学院生)のみならず、放射線利用分野や他学部・他学科で学んでいる学生も対象とします。
JAEAが有する実験設備や研究炉等の提供により、放射線と原子力の基礎について体感して学習できる機会を与え、放射線と原子力の基礎を理論だけでなく実践的に理解し、研究・開発、放射線管理、原子力施設の運転管理、放射線利用、原子力行政等に応用できる素養を身に付けることができるよう計画します。
したがって、参加することで、今後の大学での授業等においてより理解度を高め、大学においてしっかりとした基礎知識をベースとした研究等が実施できる人材の育成、また、卒業後においてしっかりとした知識基盤に基づき原子力関連メーカ、原子力関連施設での研究・開発、放射線管理、運転管理、施設管理等に従事できる人材、放射線利用における研究・開発や原子力行政における政策立案等に携わることができる人材の育成を目標とします。
放射線・原子力に関して、大学の座学だけでは体験のできないα、β、γ線の遮蔽実験、中性子実験、放射線防護具の取扱い、線量及び表面密度の測定、非密封放射性物質の安全な取扱い、研究炉(NSRR)での運転実習等を実施することにより、放射線と原子力への理解を深め、これらで得た知見・経験を基に、原子力関連メーカ、原子力関連施設、原子力行政、放射線利用分野等での就職を希望している学生に対して魅力のある内容とします。
